課程の概要

注意このページでは主に修士課程について、修了のために必要な一連の学習・研究活動を、主に内容の面に重点を置いて説明しています。制度的な面、特に必要な単位数や修了要件については最新の「履修登録に関する諸注意」などを参考にしてください。

合格から入学まで
修士一年
修士二年
よくある質問


合格から入学まで
学部に在籍している方は確実に卒業できるようにしてください。引越が必要な方はそのための準備も必要です。授業料減免や奨学金の申請を考えている方は、早めに情報を集めるようにしてください。新年度になると各種オリエンテーションがあります。研究科のオリエンテーションでは研究室への案内があり、在学生が紹介されます。

入学後の当面の課題はコースワークです。以下の説明を参考にして、必要になりそうな前提知識を習得しておくことをすすめます。たとえば『測度論的確率論』では集合と位相の基礎的な知識が必要です。また、英語の文献を読むことが修論を作成する上で必要不可欠であるのと、講義自体が英語で行われることもあるので、英語が苦手な方は勉強しておくことを強く推奨します。



修士一年
修士課程に入学して最初の一年間は、複数の講義を履修しながら修士論文のテーマを決めていくことになります。主な活動は「スクーリング科目の履修」「統計学輪講での文献紹介」および「指導教員の決定」の三つです。

「スクーリング科目の履修」
統計学専攻ではいわゆるコースワーク(基礎科目、コアコース)として独自の科目を開講しています。履修制度上は「スクーリング科目」になっています。具体的には『測度論的確率論』『統計的推測理論』および『計量経済学』の三科目(各科目、I,IIをあわせて四単位)です。ほぼ毎週、宿題が課されるとともに、小テスト、中間試験、期末試験が行われるため、場合によっては初年度のほとんどの時間をこれらの科目に費やすことになります。コースワーク三科目は統計学専攻の教員(連携教員を含む)を指導教官として指名する上での要求科目となっており、統計学専攻の大学院生にとっては事実上の必修科目だと言えます。また、博士進学のためには良い成績を修めることが求められます。
「統計学輪講での文献紹介または研究発表」
統計学輪講とは、統計学に関わる研究をしている学内の大学院生・教員が一同に会するセミナーです。火曜四限に開講される科目として扱われます。大学院生には毎年一回、50分間の研究発表が求められます。基本的には自分の研究について発表しコメントをもらったり、他人の研究を聞いて勉強したりする場ですが、大学院生にとっては研究発表の練習の場でもあります。

修士一年生は例外として、発表は冬学期(9月以降)に設定され、自分の研究の発表ではなく文献紹介でもよいことになっています。とはいえ、報告に値する論文を選ぶことは簡単ではありません。また最新の論文を理解するための勉強も必要です。多くの院生が、夏休みをこの準備に充てます。また、指導教官を決めるには早い時期ですが、報告する論文の選定について早いうちから教員に相談するのが通例です。

統計学輪講には教員も真剣に参加しています。要求される発表のレベルは高いものと考えてください。スライドの用意など、十分な準備のもとで発表に臨んでください。大学院生同士で協力して、事前に発表の練習を行うことも推奨されています。

「指導教員の決定」
年度内に指導教員を指名し、期間内に所定の届を提出する必要があります。経済学研究科所属の教員だけでなく、メンバーのページにある学内協力教員も指導教官に指名することができます。正式な指導教官のリストは掲示で周知されますので確認してください。

当然のことながら、事前に教員にコンタクトをとり、指導の許可をもらうことが必要です。また、要求科目というものがあり、教員が指定した科目を履修済でなければ指導教員に指名することはできません。要求科目は掲示で周知されますが、教員にコンタクトを取る時点で直接確認するとよいでしょう。前述のコースワークは統計専攻の全教員(連携教員含む)が要求科目に指定しています。教員によっては、それ以外の科目も要求していることがあります。

指導教官が正式に内定するのは年度末にかけてですが、教員との合意が取れ次第、すぐに修士論文のための研究をはじめるのが通例となっています。

(その他の事項)



修士二年
二年目はコアコースがないため、以下の「その他の開講科目」を履修して修了単位を満たしつつ、基本的には修士論文の研究に時間を費やすことになります。統計学輪講での発表が一つの目標になります。

その他の開講科目
コアコース以外にも統計学に関する講義がいくつか開講されています。具体的な開講科目については年度によって異なりますが、例年ですとベイズ統計学、時系列解析、漸近理論、空間統計学、一般化逆行列とネットワークの理論などの科目が開講されています。また他学部の講義を履修することも可能であり、過去には数理科学研究科の専門科目などを受講した学生もいました。

当然のことながら、修士一年での履修も可能です。

奨学制度への応募(博士課程進学希望者向け)
修士論文の審査と修了判定
修士論文の提出後、口頭発表と質疑応答からなる審査が行われます。正式な審査は例年二月に行われますが、それより早い時期(十二月または一月)に統計学コース独自の予備審査を行うことがあります。これらの審査をもって修士論文の合否が決まります。




よくある質問
Q. 入試に合格するにはどのような勉強をすればよいですか。研究計画書には何を書けばよいですか。論文は提出したほうがよいですか。面接ではどのような質問がされますか。

入試に直接関係することには答えられません。入試については、基本的には研究科のページを参考にしてください。また、過去の入試問題が販売されていますので参考にしてください。

Q. 入試の前に教員と会ったほうがよいですか。

必要ありません。所属教員と面識があるかは合否に影響しません。また規則により、願書提出後に教員とコンタクトを取ることはできません。

Q. 研究室訪問をしたいのですが。

経済学研究科の統計学コースでは、実験系の分野に見られるような研究グループ・研究チームとしての「研究室」はありません。教員は個人で研究活動を行っています。各教員の研究分野や論文などの情報については教員個人のホームページを見てください(メンバーのページにリンクがあります)。ただし、経済以外の学部に所属する連携教員の中には、独自の研究室を運営している方もいます。

Q. 統計学コースの修士課程出身ではありませんが、統計学コースの博士課程に合格できますか。

志願者が博士論文執筆のための研究を行う上で、本コース所属教員による指導が必要不可欠であると認められる場合に限り、博士課程からの入学を許可しています。過去には経済学コースの修士課程で計量経済学の理論を研究していた方が統計学コースの博士課程に合格した例があります。

Q. どれくらいの人数が博士課程に進学しますか。

平均して年1,2名程度ですが、年度により大きく変動します。統計コースが独自に定員を定めているわけではありません。

Q. 博士取得までの平均年数はどれくらいですか。

過去数年では、半数以上が三年間で博士を取得しています。個人の事情に大きく依存するため、三年以上かかる方もいますし、短縮して二年で博士を取る方もいます。また博士号を取得せずに就職する方もいます。

Q. 東大経済学部の学生です。大学院卓越プログラムで修士を一年で取得することは、統計学コースでも可能でしょうか。

スケジュール的に容易ではありませんが、可能です。講義を履修しながら一年足らずで修士論文を完成させる必要があるため、コースワークを学部生のうちに済ませるなど周到な準備が必要になります。2021年に初めて一人、卓越プログラムの修了者が出ました。

Q. 学振のポスドクに応募する予定です。受入教員になってほしいのですが。

希望する教員にコンタクトを取ってください。研究分野の不一致や業務の多忙により受入を断ることもあります。毎年のことではありませんが、ポスドクとして経済学研究科に所属する方もいます。

Q. Could you admit me to your graduate program as a research student/an intern/a postdoc with financial support? I’ll email you with my CV.

No. Do not email us for such request because we are unable to reply to you. Check out the departmental website for the information about our admission process.

Q. I’m a UTIPE student. Could you be my supervisor?

Unfortunately, no, we cannot be your formal supervisor. Although we sometimes teach in English, most of us are not the UTIPE faculties. See the list of faculties on the UTIPE website. Of course, you are always welcome to visit us and chat about research.



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